果物の上手な食べ方~血糖値への影響も含めて~
果物には、ビタミンや食物繊維など体を整えるのに良い栄養素が豊富に含まれていますが、食べ過ぎると血糖値の上昇や体重の増加などを引き起こすため注意が必要です。この記事では、果物の上手なとり方を血糖値への影響も含めて解説します。
本日のポイント
- 果物に含まれる体によい栄養成分として、食物繊維、ビタミンC、カリウム、ビタミンB6、βークリプトキサンチンなどが挙げられる。
- 果物には、果糖、ブドウ糖、ショ糖など様々な糖分が含まれており、その割合は果物によって違う。
- 果糖は、適量であれば血糖値の影響は少ないが、食べ過ぎると中性脂肪や血糖値の上昇、体重増加を引き起こす。
- 糖尿病のある方の果物の摂取目標は、1日1単位80キロカロリー。
- 果物は、活動量が増える朝に摂取するのが効率的。
- 食物繊維が取り除かれていることが多い果物のジュースや、砂糖を多く使って作られる缶詰やジャム、ドライフルーツには注意が必要。
果物に含まれる栄養成分
果物は、食べ過ぎると体重が増えたり、中性脂肪値が上昇するために注意が必要ですが、ビタミンや食物繊維など、体に良い栄養素が豊富に含まれているので、適量を上手にとることが重要です。
果物に含まれる代表的な栄養成分を以下にお示しします。
① 食物繊維
腸の蠕動運動を活発にさせることによる便秘予防、腸でのコレステロールの吸収を抑えることによる動脈硬化予防、糖の吸収を遅くして食後の高血糖をゆるやかにする、などの働きがあります。
多く含む果物:キウイフルーツ、ブルーベリー
② ビタミンC
シミ予防など皮膚や粘膜を健康に保つ、老化を抑える抗酸化作用、免疫力を高める、鉄分の吸収を助ける、などの働きがあります。
多く含む果物:キウイフルーツ、いちご
③ カリウム
余分なナトリウムを排泄して血圧を下げる、血液や尿などの体液における水素イオン濃度 (PH) を保つ、などの働きがあります。
多く含む果物:キウイフルーツ、バナナ
その他にも、アミノ酸の代謝に関わるビタミンB6や、抗酸化作用や骨粗鬆症予防効果があるβークリプトキサンチンなどが含まれます。
果物に含まれる糖分と血糖値の関係
果物には、果糖、ブドウ糖、ショ糖などの様々な糖分が含まれ、その割合は果物によって違います。
ブドウ糖やショ糖は、果糖と比較して、血糖値が上昇しやすいので、糖尿病のある方は、以下の果物の食べ過ぎには注意しましょう。
ブドウ糖の含有量が多い果物:ぶどう、プルーン、かき、いちじく
ショ糖の含有率が多い果物:パイナップル、もも、メロン、バナナ、みかん
果糖は、適量であれば血糖値の影響は少ないですが、食べ過ぎると肝臓でブドウ糖となり、中性脂肪や血糖値の上昇、体重増加を引き起こすので、注意が必要です。
1日の果物摂取量の目安
果物の1日摂取量の目安はどれぐらいでしょうか。
厚生労働省が2023年に改訂した 「健康日本21」 では、果物を1日200g摂取することを目標としています。
日本糖尿病学会は、糖尿病のある方の果物の摂取目標を1日1単位80キロカロリーとしています。
果物80キロカロリーの目安は以下になります。
・イチゴ:6個 250g (へたを含まない)
・バナナ:1本 100g (皮を含まない)
・みかん:中2個200g (皮を含まない)
・ぶどう (巨峰):中10粒 180g (皮、種を含む)
・キウイフルーツ:1と1/2個 150g (皮を含まない)
・リンゴ:中1/2個150g (皮を含まない)
・すいか:小玉1/6個 200g (皮を含まない)
・日本梨:大1/2個 200g (皮を含まない)
・かき:中1個 150g (皮を含まない)
・もも:大1個 200g (皮を含まない)
・パイナップル:中1/4個 150g (皮を含まない)
参考『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』日本糖尿病学会 編・著
なお腎臓の機能が低下している方は、果物の摂取による高カリウム血症を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。
果物の上手なとり方
果物に含まれるブドウ糖や果糖は、食後短い時間でエネルギーに交換されます。
また果物に含まれる食物繊維は、便秘予防につながるので、活動量が増える朝に果物を摂取するのが効率的です。
夕食が遅くなってしまう方の間食に果物をとることもおすすめです。
果物のジュースは、食物繊維が取り除かれていることも多く、固形で食べるより血糖値が上昇しやすいので、おすすめできません。
缶詰やジャム、ドライフルーツは、砂糖を多く使って作られるので血糖値が上昇しやすく、さらに加熱によりビタミン類は減るうえに、過剰に摂取してしまう傾向にあるので、注意が必要です。
以上、果物の上手な食べ方~血糖値への影響も含めて~、という話題でした。
この記事が、皆様の生活 (ライフ) のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。