花粉症治療|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科

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花粉症治療

花粉症治療|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科

ゾレア皮下注射療法

下記のような症状に該当する方はゾレア皮下注射をご検討ください。

  • スギ花粉症によるくしゃみ or 鼻をかむ回数が1日11回以上
  • スギ花粉症による鼻づまりが非常に強く、1日中またはかなりの時間口呼吸をしている
  • スギ花粉症による鼻炎症状が、飲み薬や点鼻薬などでも改善しない
  • 飲み薬の副作用 (眠気など) が強く、より強力な効果が期待できる薬剤に変更や増量ができない

当院では、重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎 (スギ花粉症) の患者さんに対して、抗IgE抗体製剤であるゾレア (一般名:オマリズマブ) を皮下注射する治療 (保険適応) を開始しました。

ゾレアとは?

ゾレアとは?

ゾレアは、生物学的製剤 (生物から産生されるタンパク質などの物質を応用してつくられた医薬品) の抗IgE抗体製剤です。
ゾレアは花粉によって産生されたIgEと結合し、IgEがマスト細胞と結合できなくすることで、アレルギー反応を元から抑えることができます。
病気に関連する物質にピンポイントで作用するため、これまでの治療法で治療困難であった患者さんでも症状改善が期待できます。
しかし、製造工程が複雑であるために薬の値段が高いことと、注射の痛みを伴うというデメリットがあります。

投与期間は、スギ花粉飛散時期である2月〜5月の3ヶ月間程度になります。

ゾレアの治療を受けるための条件

ゾレアの治療を行うためには、下記の条件を満たしていることが必要になります。

  1. 重症または最重症のスギ花粉症で、前スギ花粉シーズンでも重症な症状があった。
    ※重症または最重症とは、「くしゃみ or 鼻をかむ回数が1日11回以上」あるいは「鼻づまりが非常に強く、1日中またはかなりの時間口呼吸をしている」場合を言います。
  2. スギ花粉のアレルギー検査 (血液検査) の結果、陽性であった。
    ※スギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がクラス3以上 (FEIA法 3.5 UA/mL以上またはCLEIA法で13.5ルミカウント以上) が対象になります。
  3. 季節性アレルギー性鼻炎 (花粉症) の治療を1週間以上行い、効果不十分であった。
    ※抗ヒスタミン薬、点鼻薬などの治療後、症状の程度をみて診断します。
  4. 12歳以上で、血清中総IgE濃度が30〜1,500 IU/ml、体重20~150 kgの範囲にある。
    初回投与前の血清中総IgE濃度および体重に基づき、ゾレアの投与量・投与間隔が決定されます。
    1. 妊娠中および授乳中の方は、医師に相談が必要です。

ゾレア投与のスケジュール

ゾレアの投与前には、抗ヒスタミン薬、点鼻薬などによる既存治療薬での治療と血液検査が必要になりますので、投与前に数回外来を受診していただく必要があります。

スケジュール例

1

1回目受診

  • 問診にて、重症な季節性アレルギー性鼻炎 (花粉症) かどうかを診断します。
  • 血液検査:特異的IgE抗体検査を行います(これまでに行っていない場合)。
  • 既存治療を開始 (抗ヒスタミン薬、点鼻薬等) します。
1週間以上

2

2回目受診

  • 既存治療で効果不十分なスギ花粉症であるか確認します。
  • 血液検査:総IgE濃度検査
    ※最終投与から1年未満で再投与する場合は、総IgE濃度検査は必要ありません。
数日後

3

ゾレアの投与量/投与間隔と自己負担額が決定します

※ゾレアの投与量・投与間隔 (薬剤費) は、初回投与前の血清中総IgE濃度および体重によって決定されるので、患者さんごとに異なります。

お電話にて、ゾレアの投与が可能かどうか、投与量と投与間隔、料金についてご説明します。

4

3回目受診

  • ゾレア初回投与 (投与量決定後、ゾレア投与は4回目の受診時になることもあります)
  • 併用する抗ヒスタミン薬の処方を行います。
スギ花粉シーズン中、2週間または4週間毎に投与します。

ゾレアの主な副作用

主な副作用は、注射部位の赤みやかゆみ、腫れです。
また、ごくまれにアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。
アナフィラキシーの症状として、呼吸困難、蕁麻疹、失神、立ちくらみ、血圧低下、全身のかゆみ、くちびる、舌、のどの腫れがあり、注意が必要です。

料金

  • 保険が適応になります。
  • 薬剤料金は、3割負担での自己負担額として、約4000円から約70000円が、1回の注射でかかります。
    投与量によって金額が変わりますが、月に9,000円から18,000円の方が多いと言われています。
  • その他に、受診や検査にかかる費用、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費などがかかります。
  • 治療費が高額になった場合は、高額療養費制度によって医療費の一部が払い戻される場合があります。

スギ花粉症の鼻炎症状に対して、既存の治療法では治療効果がなく、苦しんでいる方は、気軽にご相談ください。

シダキュア舌下免疫療法

下記のようなお悩みをお持ちの方に舌下免疫療法「シダキュア」はおすすめです。

  • スギ花粉を原因とするアレルギー性鼻炎の症状がひどく、毎年シーズンが来るのが憂鬱
  • アレルギー性鼻炎の症状が、一般的な薬物治療や手術療法では、コントロールできない
  • 鼻炎の薬を内服しているが、眠気などの副作用で悩んでいる
  • スギ花粉症の症状を、長期的に寛解させたい

毎年春になると多くの人々を悩ませるスギ花粉症。
鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみなど、その症状は日常生活に大きな影響を与えます。
スギ花粉症の根本的な治療法として注目されているのがアレルゲン免疫療法の1つである「舌下免疫療法」です。
当院では、スギ花粉症の患者さんに対して、アレルゲン免疫療法(減感作療法)である「シダキュア」を舌下投与する治療 (保険適応) を開始しました。
「シダキュア」の開始時期は、スギ花粉の飛散時期を避けなければならないので、6月から11月頃になります。

舌下免疫療法とは?

「シダキュア」は、スギ花粉症に対する舌下投与のアレルゲン免疫療法(減感作療法)薬で、スギ花粉より抽出したアレルゲンエキスが含まれています。
アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ、長期間にわたり投与していくことにより、アレルゲンに曝露された場合に引き起こされる症状を緩和していく治療法です。
アレルゲン免疫療法は、「長期寛解、臨床的治癒」が期待できる根治的治療である一方で、治療期間は一般的に3〜5年と長く、対症療法のような即効性は期待できない特徴があります。
治療効果としては、スギ花粉症の症状が軽減されたり、薬剤の使用量を減らすことが期待できます。
また副作用として、アナフィラキシーなどのリスクがあり、効果的な治療を進めていくために、安全性に配慮しながら、治療中の注意点など詳しい説明を受けることが重要です。
※ アナフィラキシーとは、アレルゲンなどの侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応になります。

舌下免疫療法の対象

「シダキュア」による治療の対象は、スギ花粉症の患者さんになります。
くしゃみ、鼻のかゆみ、鼻漏、鼻閉、目のかゆみ等の症状の有無、既往歴や合併症等に関する問診に加え、皮膚反応テストまたは特異的IgE抗体検査のアレルギー検査を行い、スギ花粉症の確定診断をする必要があります。

「シダキュア」投与により喘息発作を誘発するリスクがあるので、不安定な喘息を合併する患者さんは治療を受けられません
また治療に際し注意が必要な患者さんとして、以下の患者さんが当てはまります。

  • 治療開始時に妊娠している、授乳している
  • 治療に影響を与えうる以下の薬剤を使用している
    非選択的β阻害薬、全身性ステロイド薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)を使用している
  • 以下のような全身的に重篤な疾患を有する
    悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全症、慢性感染症、重症の心疾患、肺疾患および高血圧
  • 急性感染症に罹患している
  • 抜歯後など口腔内の術後または口腔内に傷や炎症などがある
  • 高齢者

さらに舌下免疫療法による治療は、長期にわたり、毎日服用する必要があります。
自宅での服用となるため、副作用が起きた際は、患者さん自身による適切な対処も必要となります。
舌下免疫療法を希望される方は、以下のポイントを理解していただき、治療を受ける意思を確認してください。

  • 年間を通して長期間の治療を継続できる
  • 舌下治療薬の服用を毎日継続できる
    ※継続できないと期待される治療効果が認められません。
  • 少なくとも1ヶ月に1度、外来受診ができる
  • アナフィラキシーなどの副作用が起きる可能性があることが理解でき、副作用などの対処法が理解できる
  • すべての患者さんに効果が期待できるわけではないことを理解できる
  • 効果があって終了した場合も、その後効果が減弱する可能性があることを理解できる

当院での舌下免疫療法の流れ

当院で舌下免疫療法「シダキュア」を開始する際には、いくつかのステップを踏んでいただきます。

スケジュール例

1

1回目受診

  • 問診にてスギ花粉症の診断のための問診と血液検査(特異的IgE抗体検査)を行います。
    他医で検査を行った場合はお知らせ下さい。
1週間後以降

2

2回目受診

  • 検査の結果、「シダキュア」の適応となると判断された場合は、治療法について詳しくご説明いたします。
  • 治療を開始する場合、初回投与は院内でシダキュアを服用していただき、30分間は院内で様子を観察いたします(アレルギー反応が出た場合に迅速に対応するため)。
  • 問題がなければ、7日分の薬を処方し、その後はご自宅で毎日、「シダキュア」を服用していただきます。
  • 通常、投与開始後1週間は、「シダキュア」スギ花粉舌下錠2000JAUを1日1回1錠を舌下にて1分間保持した後、飲み込みます。

※ この日は、説明用DVD視聴、初回内服後の観察時間がそれぞれ必要なので診察時間が1時間以上かかります。診療時間終了近くの時間帯での診療予約はできませんので、あらかじめご理解ください。

1週間後

3

3回目受診

  • 副作用の有無、問題なく服用できているか確認します。
  • 3回目受診以降は、「シダキュア」スギ花粉舌下錠5000JAUを1日1回1錠を処方します。
  • 以降は月に1回定期的に外来を受診していただき、症状の変化や副作用の有無などを確認いたします。
  • 投与は、3年~5年間継続することが推奨されています。

シダキュアの主な副作用

主な副作用は、以下になります

  • 口の中の腫れ、かゆみ、不快感、違和感
  • 唇の腫れ
  • 咽喉の刺激感、不快感、違和感
  • 耳のかゆみ など

重大な副作用として、ショック、アナフィラキシーがあり、血圧低下、呼吸困難、全身潮紅、顔面浮腫・咽頭浮腫などの血管浮腫、蕁麻疹、喘息などの異常が認められたときには、投与を中止をし、直ちに適切な処置が必要です。

治療中の注意点

  • 副作用発現を避けるために、服用前および服用後2時間は、激しい運動、アルコール摂取、入浴を避けて下さい
  • 服用後5分間はうがいや飲食を控えて下さい
  • 治療中に異常が認められた場合は直ちに医療機関を受診して下さい。
  • 誤って過量を服用した場合には直ちに吐き出してうがいをし、翌日以降は正確な用量を服用して下さい。
  • 誤って舌下に保持せず飲み込んでしまった場合には、同日は再度の服用を行わず、翌日以降に改めて正しい用法用量で服用して下さい。
  • 服用を忘れた場合は、同日中に気づいた場合はその日の分を服用するように、また前日に忘れた場合には翌日に1日分のみを服用して下さい。
  • 喘息発作時、口腔内の掻痒感などの症状が強いとき、抜歯後などの口腔内の術後または口腔内に傷や炎症などがあるとき、感冒時や体調が悪いときは休薬しましょう。

料金

  • 保険が適応になります。
  • 舌下免疫療法を開始するための血液検査で、3割負担の場合、検査項目数によって、約2500~5000円の検査費用がかかります(診察代別)。
  • 開始日は1週間分の処方になり、再診料、薬剤料合わせて、3割負担の場合、約1550円前後かかります。
  • その後は、基本的に4週間分の処方となり、3割負担の場合、約1800円~2000円前後かかります。

「舌下免疫療法」は、注射による治療とは異なり、自宅で手軽に服用できる点が大きなメリットです。
スギ花粉症の鼻炎症状に対して、既存の治療法では治療効果がなく、苦しんでいる方は、気軽にご相談ください。

監修:西早稲田ライフケアクリニック 院長 井倉和紀