糖尿病|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科

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糖尿病

糖尿病|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科

糖尿病について

糖尿病

糖尿病とは、体の中のインスリンというホルモンの作用不足により、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続くことで、全身に様々な合併症を起こす病気です。インスリンの作用不足は、膵臓からインスリンが十分に分泌されなかったり、インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)ことによって生じます。糖尿病の原因は、遺伝や体質的なものもありますが、過食、肥満、運動不足、ストレスといった生活習慣が深く関与しており、こうした様々な原因が複合的に影響して発症します。

糖尿病は、「1型糖尿病」「2型糖尿病」「その他の特定の機序、疾患によるもの」「妊娠糖尿病」の4つに分類することができます。

「1型糖尿病」

膵臓からインスリンが出なくなることにより血糖値が高くなる糖尿病です。原因ははっきりわかっていませんが、免疫反応に異常があり、自分の細胞を攻撃してしまう「自己免疫」が関わっていると考えられ、自己抗体(抗GAD、IA-2、ZnT8抗体など)の血液検査が診断に有用です。血糖値を下げるために、インスリン注射が必須となります。

「2型糖尿病」

インスリンが出にくくなったり、効きにくくなったりすることで血糖値が高くなる糖尿病で、生活習慣病の一つとされています。発症には、遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な影響が深く関わってきます。治療は、食事、運動療法を基本として、必要に応じて内服治療やインスリン注射を行います。

「その他の特定の機序、疾患によるもの」

遺伝子異常によるものや、肝臓や膵臓などの病気、ステロイドなどの薬剤、感染症などの影響で血糖値が上昇した糖尿病です。

「妊娠糖尿病」

妊娠糖尿病は、妊娠中、糖尿病に至っていない糖代謝異常を初めて認めることです。多くの場合、出産後に高い血糖値は改善しますが、妊娠糖尿病の方は将来糖尿病になりやすいと言われています。

糖尿病の主な症状

このような症状やお悩みがある方は、早めにご相談ください。

  • のどの渇き
  • 多尿、頻尿
  • だるい、疲れやすい
  • 急激な体重減少
  • 健康診断で血糖値が高めと言われた
  • 家族や血縁者に糖尿病の人がいるので、自分も心配である

糖尿病の初期は自覚症状がほとんどありません。糖尿病が進行してから、上記の様な症状が現れます。気になる症状がある方や、健康診断などで高血糖や尿糖を指摘された方は、放置せずに早めに医療機関を受診することをおすすめします。

糖尿病の診断基準

糖尿病は、血糖値とHbA1c値の結果から判断します。HbA1cは、採血時から過去1~2ヶ月間の血糖値の平均を反映します。次の①~④のいずれかに当てはまる場合を「糖尿病型」と言い、別の日に行った検査でも糖尿病型であることが再確認できた場合か、または①~③のいずれかと④が確認された場合に「糖尿病」と診断されます。

  1. 空腹時に採血した血糖値が126mg/dL以上
  2. ブドウ糖を飲んだ2時間後に採血した血糖値(ブドウ糖負荷試験2時間値)が200mg/dL以上
  3. 食事の時間に関係なく採血した血糖値(随時血糖値)が200mg/dL以上
  4. HbA1c(NGSP)が6.5%以上

当院では、採血をして即日に血糖値、HbA1c値の結果がでます。気になる方はご相談ください。

糖尿病の合併症

著明な高血糖となった場合に、意識障害や急激な体重減少といった急性合併症がみられます。しかし、多くの場合、高血糖だけでは自覚症状がありません。糖尿病の恐ろしいところは、自覚症状がなくても高血糖が長年継続すると、全身に様々な合併症(慢性合併症)を起こしてしまうことです。糖尿病の慢性合併症は、細小血管症(三大合併症)と、大血管症(動脈硬化性疾患)に分類することができます。

糖尿病の三大合併症

糖尿病網膜症

目の中の網膜が障害を受けることで、視力が低下してしまう病気です。進行すると出血や網膜剥離を引き起こし、最終的に失明となることもあります。初期は自覚症状がほとんどありませんので、眼底検査をしなければ、判断がつきません。したがって糖尿病と診断された方は、自覚症状がなくても定期的に眼科を受診する必要があります。最低でも1年に1回は眼底検査を受けましょう。重症化しないためには、良好な血糖コントロールを継続することが重要です。しかし急激に血糖コントロールを改善させると、網膜症を進行させる場合がありますので、注意が必要です。

糖尿病腎症

腎臓は尿を作る臓器であり、糸球体という部分で血液をろ過しています。高血糖が継続すると、徐々にろ過機能が障害され、さらに進行すると腎臓で尿が作れなくなる腎不全を起こし、最終的に血液透析が必要になります。日本における透析導入の原因第1位は糖尿病腎症です。初期は自覚症状がほとんどなく、むくみ(浮腫)やかゆみ、呼吸苦といった症状が出るのは、腎症がかなり進行してから起こります。糖尿病腎症は、尿検査における蛋白尿の有無で評価できます。尿蛋白が少ないうちは、尿中微量アルブミンを評価することで、早期の腎症を発見することができますので、定期的に尿検査を行っていくことが大切です。重症化しないためには、血糖値と血圧を良好にコントロールすることが重要です。

当院では、即日でも尿中微量アルブミン(尿中アルブミン/クレアチニン比)の評価が可能です。

糖尿病神経障害

高血糖の継続は、末梢神経にもダメージを与えます。典型的な症状は、足先のしびれや冷感、感覚異常になります。その他に、顔面神経麻痺や、起立性低血圧(立ちくらみ)、便秘、下痢、勃起障害(ED)など様々な症状を起こします。糖尿病神経障害は、足の感覚を鈍くするので、気が付かないうちに傷ができている場合があります。特に冬場における、湯たんぽやストーブによる熱傷には注意が必要です。さらに血糖コントロールが不良であれば、感染症を発症するリスクが高くなり、傷が潰瘍・壊疽(えそ)に進展して、足の切断を余儀なくされる場合もあります。糖尿病神経障害の検査は、自覚症状に加え、アキレス腱反射(ハンマーによる反射の検査)や振動覚(音叉による検査)、神経伝導速度検査(電気刺激が伝わる速さを調べる検査)にて評価することができます。網膜症、腎症と同様に、進行予防には、良好な血糖コントロールを継続することが重要です。

当院では、神経伝導速度を定量的に測定することが可能で、即日でも神経障害の評価ができます。

大血管症(動脈硬化性疾患)

高血糖が継続すると、様々な動脈硬化性疾患の発症頻度が高くなります。

その他合併症

感染症

糖尿病患者さんは、様々な感染症にかかりやすいだけでなく、感染した場合は重症化しやすいと言われています。その理由は、血糖値が高くなると免疫の機能が低下するからです。糖尿病患者さんでよくみられる感染症として、肺炎などの呼吸器感染症、尿路感染症、皮膚の感染症、歯周病などが挙げられます。また身体のまれな部位に感染症を引き起こす場合があり、悪性外耳道炎、気腫性膀胱炎、気腫性腎盂炎、気腫性胆嚢炎、内臓あるいは軟部組織の膿瘍、鼻脳ムコール症、壊死性筋膜炎、フルニエ壊疽(陰部の感染症)などが糖尿病患者さんに合併しやすい特有の感染症になります。感染症から身を守るためには、日頃の血糖コントロールを良好に保つことが重要です。またご自分の体調に変化がないか、定期的にセルフチェックをすることが、感染症の早期発見と重症化を防ぐことに繋がります。重症な感染予防のために、有効性が認められているワクチン接種を受けることもお勧めします。感染症の治療は、部位によって異なりますが、重症化する前に適切な抗菌薬治療などを早期に行うことが重要になります。症状が軽いからといって決して侮ることなく、早めに医療機関を受診しましょう。

当院では、インフルエンザ、肺炎球菌、新型コロナウイルス、帯状疱疹の予防接種を実施しています。

歯周病

歯周病とは、歯と歯肉の間に歯垢(しこう)が溜まり、炎症が起こる病気で、進行すると歯を支える歯槽骨まで破壊され、歯を失う原因となります。糖尿病は、唾液分泌量の低下、免疫反応の低下を引き起こすため、歯周病の進行とも関連があるとされています。歯周病が糖尿病の悪化にもつながるため、定期的な歯科受診によって、歯周病の治療や予防をしておくことが大切です。

糖尿病性足潰瘍(かいよう)、足壊疽(えそ)、下肢切断

足潰瘍は、足の皮膚の表面が炎症を起こしてくずれてしまい、できた傷がえぐれたようになった状態を指します。潰瘍が悪化し、皮膚や皮下組織が死滅し、黒色化した状態が壊疽になります。
糖尿病患者さんは、神経障害や足の血流障害が影響し、こうした足潰瘍や足壊疽を起こしやすく、足潰瘍、足壊疽が原因となり、足の切断を余儀なくされる場合があります。
足潰瘍の原因は、靴擦れ、熱傷、胼胝(たこ)、巻き爪など様々で、足潰瘍を発症させないために、日々のフットケアがとても重要になります。

当院では、足潰瘍や足の切断を予防するためのフットケア外来を行っています。

糖尿病の治療

治療の目的

糖尿病は、「治す病気」ではなく、「血糖値をコントロールする病気」です。治療することにより血糖値が正常になっても、糖尿病が治ったわけではありません。しかし、血糖値と他の危険因子をきちんとコントロールしていれば、糖尿病の合併症や動脈硬化性疾患の発症・進展をおさえることができ、健康な人と変わらない日常生活を送れます。つまり、糖尿病治療の目的は、「糖尿病の合併症を起こさないこと、糖尿病を原因とする健康への影響を予防すること」になります。そのためには血糖値を可能な限り正常値に近づけ、良好な血糖コントロールを維持することが重要になります。

治療の目標

血糖値は食事や運動などの影響を受けて変動しますので、採血時から過去1~2ヶ月間の血糖値の平均を反映するHbA1c(ヘモグロビンA1c)値が、血糖コントロールの指標になります。

日本糖尿病学会では、

  • 血糖正常化を目指す際の目標値を「HbA1c 6.0%未満」
  • 合併症予防のための目標値を「HbA1c 7.0%未満」
  • 低血糖その他の理由で治療の強化が難しい場合は「HbA1c 8.0%未満」

としています。

65歳以上の高齢者の場合では、認知機能や心身機能、身体活動量、併存疾患など身体の状態に個人差があり、重症低血糖の危険性も高いため、個々で目標値や下限を決定します。

治療法

治療の基本は食事療法、運動療法になります。しかし、食事・運動療法を行っても血糖コントロールが不十分な場合、薬物治療が検討されます。

1

食事療法

食事療法の基本は、適正なエネルギー制限と、炭水化物、たんぱく質、脂質をバランスよく摂ることです。そして間食、お菓子や果物などの甘いものの摂りすぎ、過剰なアルコール摂取に注意することが大切です。高血圧がある場合は塩分制限、糖尿病腎症がある場合はたんぱく質制限をするなど、合併症の有無によっても、食事内容は異なります。患者さんそれぞれの状態に合わせて食事内容を検討し、ライフスタイルに合わせた食事療法を一緒に考えながら、検討させていただきます。

2

運動療法

運動をすると、エネルギー源となるブドウ糖を消費するので血糖値が下がります。さらにエネルギー消費を多くすることで体重が減り、余分な脂肪が減ることでインスリンの効きが良くなり、血糖コントロールがつきやすくなります。
特に治療効果が高いのが、有酸素運動です。具体的には、ウォーキングや、自転車、水泳などの運動を、息切れせずに、汗ばむ程度の強度を目安として、1回20~30分、週に3回以上行うことが効果的です。週末に集中して運動するよりも、毎日楽しみながら続けられる運動を選びましょう。
運動療法を行う上での注意として、進行した合併症がある場合、その合併症が悪化してしまうことがあるので、事前に合併症の評価をすることが大切です。また運動中に胸が締め付けられるような痛み(狭心症の症状)、視野が狭くなる(眼底出血)、低血糖症状(手指のふるえ、冷や汗、顔面蒼白、動悸、ふらつき、意識がもうろうとする)など、いつもと違う症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

3

薬物療法

薬物療法は、経口血糖降下薬による内服療法と、インスリンなどを注射で投与する自己注射療法の二つがあります。1型糖尿病ではインスリン療法が必須になりますが、2型糖尿病でも十分な血糖コントロールが得られない場合は、インスリン療法が必要になります。糖尿病治療薬の種類は豊富にありますが、患者さんの状態や合併症の進行程度など、個々の病態を考慮しながら、総合的に判断して種類を決めます。薬物療法を開始しても、食事療法、運動療法は糖尿病の基本治療として継続していくことが大切です。

当院では、院内に血糖値、ヘモグロビンA1c測定器を設置しており、当日に検査結果をご説明し、治療方針を決定します。また、外来でのインスリン導入や血糖自己測定の指導も行います。患者さんと一緒に考えながら、実行可能で継続できる治療を検討いたします。
また糖尿病に伴う合併症を早期に発見することも、糖尿病の治療において重要なことであり、定期的に血液・尿検査や心電図など動脈硬化性疾患に関連する検査を行っていきます。