睡眠の量と質を確保する重要性と対策
- 2024年9月1日
- 生活習慣
睡眠は心身の疲労回復には必須であり、睡眠不足は日中のパフォーマンスを低下させるだけでなく全身に様々な症状を引き起こすため、睡眠の量と質を確保することは非常に大切です。この記事では、睡眠の量と質を確保する重要性と対策に関して解説します。
本日のポイント
- 睡眠不足が継続すると、心身ともに様々な悪影響が出るだけでなく、死亡率も高くなる。
- 自分の必要な睡眠時間を調べる方法として、「睡眠日誌」 があり、平日と休日の睡眠時間に差がなければ、それが自分にとって必要な睡眠時間となる。
- 睡眠不足が引き起こす恐ろしい病気として、肥満、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、認知症、精神疾患、心疾患・脳血管疾患、癌などが挙げられる。
- ぐっすり眠るためには、まず寝室の環境づくりと生活習慣が重要である。
- 15~20分の仮眠によって、眠気が解消される可能性がある。
睡眠の重要性と自分に必要な睡眠時間を知る方法
睡眠は心身の疲労回復やストレス解消のために重要な要素であり、睡眠不足は日中のパフォーマンスを低下させ、生活や仕事に支障をきたします。
さらに睡眠不足が継続すると、自律神経障害やホルモンの分泌が乱れ、心身ともに様々な悪影響が出てきます。
1日7時間の睡眠をとっている人と比較すると、睡眠時間が短い人ほど、また逆に長い人ほど、死亡率が高くなることが分かっています。
全身に影響が出ないためにも、適正な睡眠時間と良い睡眠の質を十分に確保することが重要です。
1日に必要な睡眠時間は個人差があり、6時間で良い人もいれば、8時間でも足りない人もいます。
自分の必要な睡眠時間を調べる方法として、「睡眠日誌」 があります。
まずは、2週間分の入眠から起床までの睡眠時間を記録します。
そして、平日と休日の睡眠時間を比較します。
休日に平日よりも2時間以上睡眠をとっていたら、睡眠不足が継続している状態といえます。
平日と休日の睡眠時間にほとんど差がなければ、それが自分にとって必要な睡眠時間となります。
休日の寝だめをしている方は、睡眠不足のサインが出ていますので、睡眠習慣を見直しましょう。
睡眠不足と関係がある病気
睡眠不足が引き起こす健康リスクや恐ろしい病気は、以下になります。
① 肥満
睡眠不足があると肥満になりやすいしくみとして考えられているのが、食欲と関係するホルモンの変化と運動不足です。
睡眠不足は、食欲を増加させる 「グレリン」 などのホルモン分泌量を増やし、食欲をおさえる 「レプチン」 などのホルモン分泌量を減らします。
また、睡眠不足が、昼間の眠気を引き起こし、疲労感から運動をしなくなることも影響します。
② 糖尿病、高血圧などの生活習慣病
睡眠不足は、血圧が高くなる、血糖値が高くなる、太りやすくなるなど生活習慣病と関連があることがわかっています。
十分な睡眠をとると、糖尿病や高血圧を改善できる可能性があります。
③ 認知症
認知症の中で、最も多くみられる 「アルツハイマー型認知症」 は、脳内の老廃物である 「アミロイドβ」 が異常に蓄積するのが特徴です。
脳内の老廃物の洗い流しは、寝ている間に行われるので、睡眠不足は認知症の進行に影響します。
④ 精神疾患
不眠は、うつ病や不安症などの様々な精神疾患の初期症状や合併症として出現することが多いです。
その他、睡眠不足は 心疾患・脳血管疾患や癌などのリスク上昇にも関連があると報告されています。
ぐっすり眠るためには
ぐっすり眠るためには、まず寝室の環境づくりが非常に重要です。
睡眠の質を高める理想の寝室環境のポイントを、以下に記載します。
① 就寝時の照明は、最小限の明るさにする。
光は、入眠を妨げ、睡眠途中の覚醒をもたらす刺激となります。
② できるだけ静かな環境を作る。
音も、睡眠を妨げる刺激となります。特に、人の話し声の覚醒作用は大きいです。
テレビや音楽はオフにするかオフタイマーにかけましょう。
③ エアコンを利用して、温度と湿度を調整する。
夏は22~28℃、冬は18~22℃に設定し、湿度は50~60%が目安になります。
④ 朝日が入る環境を作る。
朝決まった時間に太陽光を浴びることで、約24時間周期でからだの働きを調整している体内時計がリセットされ、正常な睡眠リズムをつくります。
就寝前の習慣も重要であり、ポイントを以下に記載します。
① 入浴は就寝1~2時間前までにすませる。
脳や内臓における体温である 「深部体温」 は、皮膚で測定する 「皮膚体温」 よりも3~5℃程度高くなっていますが、入眠前後は、「深部体温」 が下がり、「皮膚体温」 は上がることにより、この体温差が減少します。
寝る直前に入浴すると、「深部体温」 が下がりにくくなってしまい、入眠が困難になる場合があります。
寝る直前に入浴する場合は、なるべくぬるめのお湯につかるのがよいです。
② 寝る前にスマートフォン、テレビを見ない。
スマートフォンなどから出る 「ブルーライト」 は、眼の網膜にある神経節細胞を経由して脳に伝わり、体内時計に影響を与えます。
③ ストレッチやアロマ、読書など自分なりのリラックス法を習慣化する。
スムーズに入眠するためにはリラックスして、脳の興奮を鎮めることが重要です。
さらに良い睡眠のために気をつける生活習慣のポイントを以下に記載します。
① アルコールを控える。
アルコールは寝つきを促しますが、眠りの質は次第に悪くなり、中途覚醒の回数も増加します。
② カフェインを控える。
夕方以降にカフェインを摂取すると睡眠に影響します。
カフェインの摂取量は、1日400mg (ドリップコーヒーカップ約4杯分、ペッドボトルコーヒー約1.5杯分) を超えないようにしましょう。
③ たばこを控える。
ニコチンは覚醒作用があるため、たばこを吸ったり、受動喫煙は、睡眠の質を悪化させます。
④ 朝食をしっかりとる。
⑤ 適度な運動習慣を身につける。
理想的な仮眠のとり方
日中に眠気がある人や、夜勤勤務の方は、仮眠によって眠気が解消される可能性があります。
通常、入眠するとまず 「ノンレム睡眠」 と呼ばれる睡眠が60分前後つづき、その後 「レム睡眠」 に入ります。
このセットを 「睡眠サイクル」 と呼び、1サイクルは約90分間で、1回の睡眠に約4~6サイクル繰り返されます。
「ノンレム睡眠」 は、ステージ1~3の3段階に分類することができ、ステージ2までが比較的浅い眠りで、ステージ3が深い睡眠になります。
したがって、ノンレム睡眠のステージ2である入眠してから15~20分で仮眠をやめると、すっきり目覚めることが出来ます。
30分以上長く寝てしまうと、深い睡眠であるステージ3の状態となり、不快な目覚めとなり、疲労感が増します。
夜勤勤務中は、AM0~4時に20分間の仮眠をすることによって、仕事効率や疲労を改善することができます。
夜勤明けは、すぐに睡眠をとらず、夜勤でない日と同様に、朝に日光を浴びてから生活をして、夕方以降に普段よりやや長めに睡眠時間を確保すると良いです。
不眠や日中の眠気が継続し、日常生活に支障を来している場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
以上、睡眠の量と質を確保する重要性と対策、という話題でした。
この記事が、皆様の生活 (ライフ) のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。