食後だけ血糖値が上がる?「血糖値スパイク」の危険性と予防法
「健康診断では血糖値が正常だったのに、最近なぜか眠くなる」「食後に体がだるい」――
そんな経験はありませんか?
それはもしかすると、血糖値スパイク(食後高血糖)かもしれません。
一見健康に見えても、血糖値スパイクは動脈硬化や糖尿病の発症リスクを高めることがわかっています。
この記事では、血糖値スパイクの原因と対策、そして予防に役立つ食べ方の工夫をわかりやすく解説します。
本日のポイント
- 血糖値スパイクとは、食後に一時的に血糖値が急上昇し、その後血糖値が急降下する現象。
- 食後の血糖値だけ異常に高くなるタイプもあるので、見逃されやすい。
- 放置すると糖尿病予備軍から本格的な糖尿病へ進行したり、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる。
- 血糖値が急降下すると眠気や疲労感、集中力低下を招き、日常生活のパフォーマンス低下にもつながる。
- 食べ方・運動・睡眠など、小さな生活習慣の改善で十分に防げる。
- フリースタイルリブレなどで“見える化”しながら、日々の血糖コントロールを意識することが大切。
血糖値スパイクとは?
血糖値スパイクとは、食後に一時的に血糖値が急上昇し、その後血糖値が急降下する現象のことを指します。
通常の健康診断で測定する「空腹時血糖」は正常だとしても、食後の血糖値だけ異常に高くなるタイプもあるので、見逃されやすいのが特徴です。
この状態を放置すると、血管が繰り返しダメージを受け、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの生活習慣病リスクが高まります。
また、インスリンが過剰に分泌されることで、肥満や糖尿病の発症につながることもあります。
血糖値スパイクが起きやすい人とは?
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早食い・ドカ食いの習慣がある
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朝食を抜いて昼食・夕食に一気に食べる
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炭水化物中心の食生活(白米・パン・麺類など)
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運動不足や睡眠不足が続いている
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ストレスが多い
特に「健康診断では異常なし」の40〜50代に多く見られます。
放置すると糖尿病予備軍から本格的な糖尿病へ進行することもあるため注意が必要です。
血糖値スパイクが危険な理由
血糖値が急上昇すると、血管の内側(血管内皮)が傷つき、炎症を起こします。
この状態が続くと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
さらに、血糖値が急降下すると眠気や疲労感、集中力低下を招き、日常生活のパフォーマンス低下にもつながります。
「食後の眠気」「急なだるさ」「甘いものがやめられない」などの症状がある人は要注意です。
血糖値スパイクを防ぐ4つのポイント
① 食べる順番を意識する
最初に野菜や海藻・きのこ類(食物繊維)を食べ、その後にタンパク質(肉・魚・豆腐など)、
最後に炭水化物(ご飯・パン・麺)をとる「ベジファースト」がおすすめです。
食物繊維が糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑えます。
② 低GI食品を選ぶ
GI(グリセミック・インデックス)とは、食後に血糖値がどれくらい上がりやすいかを示す数値です。
低GI食品を選ぶことで、血糖値スパイクを予防できます。
低GIのおすすめ食品
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玄米、全粒粉パン、オートミール
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豆類、豆腐、納豆
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野菜、海藻、きのこ類
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ナッツ、ヨーグルト
一方で、白米・食パン・菓子パン・ジュースなどの高GI食品は血糖値が急上昇しやすいため控えましょう。
③ 食後に軽く体を動かす
食後30分以内に10分程度のウォーキングを行うと、筋肉がブドウ糖を取り込み、血糖値の上昇を抑えられます。
家の中で皿洗いや片付けなど軽い動きでも十分効果があります。
④ 睡眠とストレス管理も大切
睡眠不足や慢性的なストレスは、血糖値を下げるインスリンの働きを弱めることがわかっています。
適度な休息とリラックスを意識しましょう。
血糖値スパイクを“見える化”する方法
最近では、病院だけでなく自宅でも血糖変動を測定できる機器が登場しています。
その一つとして、「FreeStyleリブレ(以下リブレ®)」があります。
リブレ®は、腕にセンサーを貼るだけで、24時間の血糖変動を自動で記録できる画期的な医療機器です。
血糖コントロールの指標として広く用いられているHbA1c(直近1~2か月の平均血糖値を反映)とは異なり、リアルタイムでの血糖の動きを示すことが可能です。
リブレ®は、下図のように、おおよその血糖値を「線」として捉え、グラフ化することが出来ます。
食事・運動・睡眠の影響が一目でわかるため、血糖値スパイク対策の強力なツールです。
※当院では、精密な血糖値コントロールを実施することを目的として、希望者の方にはリブレ®の導入を行っております。
詳細は、以下のURLから参照ください。
血糖トレンドを把握するFreeStyleリブレ|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科
「血糖値スパイク」を防ぐことは、糖尿病だけでなく動脈硬化・老化・生活習慣病全般の予防につながります。
今日からできる小さな工夫で、体と血管を守りましょう。
以上、食後だけ血糖値が上がる?「血糖値スパイク」の危険性と予防法、という話題でした。
この記事が、皆様の生活 (ライフ) のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。