くしゃみ、鼻水、皮膚炎など、アレルギー症状に悩まれている方は多いですが、その原因をしっかりと把握している方は少ないかもしれません。この記事では、保険適用となるアレルギー検査に関して、解説します。

人間には、｢免疫｣ という細菌やウイルスなどの異物から体を守る防御機構が備わっています。　　　　　　　

この ｢免疫｣ が、花粉や食べ物など、通常は害のないものに対して、過剰に反応してしまい様々な症状を引き起こすことを ｢アレルギー｣ といいます。

｢アレルギー｣ の代表的な症状として、目のかゆみや鼻水、くしゃみ、咳、喉の痛み、皮膚のかゆみ、蕁麻疹などが挙げられます。

食べ物によるアレルギーの場合、アナフィラキシーショックと呼ばれる、呼吸困難など生命に危険を及ぼす重篤な症状を引き起こす場合もあります。

アレルギーを起こす物質を ｢アレルゲン｣ といい、人によって ｢アレルゲン｣ となる物質は異なります。

アレルギー症状の予防や治療は、普段からアレルゲンを避ける生活をすることが重要であり、そのためには、自分のアレルゲンを把握することが必要です。

 

アレルギー症状を伴う場合は、花粉、食べ物、ダニなどの100以上のアレルゲン候補に対するアレルギーの検査を保険適用で行えますが、13項目までが上限となっています。

そんななかで、アレルギーの原因となることが多いアレルゲンに対して、一度にたくさん調べられる便利なセット検査に「VIEW39」と「MAST36」と呼ばれる検査があります。

いずれも血液採取で、それぞれに決められた項目のアレルゲンを調べることができ、保険適用となっています。

｢VIEW39｣： 39項目のアレルゲン （以下参照）を一度に測定できます。

｢MAST36｣： 36項目のアレルゲン （以下参照）を一度に測定できます。

「VIEW39」と「MAST36」では、調べられるアレルゲンに少し違いがあります。
「VIEW39」では、昆虫（ガ、ゴキブリ）やサバ、リンゴ、ヤケヒョウダニ、マセラチアに対するアレルゲンも調べられますが、トマトやモモ、コナヒョウヒダニは項目に入っていません。

「VIEW39」と「MAST36」の検査費用は、3割負担で約5000円で、別途、診察料（初診・再診料や処方料など）がかかります。

検査の結果が出るまでの期間は、施設にもよりますが、7日間程度かかります。

 

「VIEW39」と「MAST36」は、検査結果が出るまで時間がかかり、静脈採血が必要です。

今日結果を知りたい方や多忙のため頻回に病院を受診することができない方、注射が苦手な方などには、指先からの採血から20分で結果が分かる ｢イムノキャップ ラピッド アレルゲン8｣ がおすすめです。

調べられるアレルゲンは、ハウスダスト系3項目、花粉系5項目の合計8項目（以下参照）になります。

検査費用は、3割負担で約3100円で、別途、診察料（初診・再診料や処方料など）がかかります。

 

アレルギー検査の注意点

紹介したアレルギー検査は、特定の物質に対する血液中の ｢IgE抗体｣ の量を調べています。

抗体が多いほど、アレルギー症状の原因となる可能性が高いですが、絶対的なものではありません。

数値が高くても症状は無く、生活に支障がないこともありますし、逆に数値が微量でもアレルギー症状を起こすケースもあります。

特に子供における評価は難しい場合もあり、食物アレルギーやぜん息を伴うお子さまの場合は、専門医での精査加療を行うことをおすすめします。

アレルゲンを100％回避することは難しいですが、日常的にアレルギーを避ける工夫をすることが、アレルギー症状を起こす頻度や重症度を下げることに繋がります。

 

以上、アレルギー症状を伴う場合に保険適用となるアレルギー検査という話題でした。
この記事が、皆様の生活 (ライフ) のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

西早稲田ライフケアクリニックでは、紹介した「VIEW39」「MAST36」 ｢イムノキャップ ラピッド アレルゲン8｣ いずれも検査をすることが可能です。

アレルギー症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。