足がつる原因と予防、対処法|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科

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足がつる原因と予防、対処法|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科

足がつる原因と予防、対処法

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夜中や明け方に足がつると非常につらいです。足がつる=こむら返りは、原因をしっかりと考え、適切な対策をすることで解決する可能性があります。この記事では、こむら返りの原因と予防、対処法に関して解説します。

本日のポイント

  • 足がつる=こむら返りとは、筋肉が異常に収縮してしまい、けいれんを起こした状態である。
  • こむら返りの原因は、水分不足、電解質 (ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム) のバランスの乱れ、筋肉の疲労、足の血管の循環不全、薬剤性などが挙げれれる。
  • こむら返りを繰り返す場合は、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、糖尿病、腎臓病、肝硬変、低栄養、末梢動脈疾患、下肢静脈瘤、甲状腺機能低下症などが関連している場合がある。
  • 予防には、日頃のストレッチ、マッサージ、水分補給、入浴、運動療法、マグネシウム摂取などが挙げられる。
  • 薬物療法として、芍薬甘草湯やマグネシウム剤がある。

 

足がつる (こむら返り)とは?

筋肉には、伸びすぎを防ぐ筋紡錘と縮みすぎを防ぐ腱紡錘という2つのセンサーがあり、そのうちの腱紡錘の働きが低下することで、筋肉が異常に収縮してしまい、けいれんを起こした状態が、足がつる=こむら返りになります。

医学的には 「有痛性筋けいれん」 と呼びます。

「こむら」 は、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋を指しますが、ふくらはぎだけでなく、足の裏や指、胸など身体のどこでもつる可能性があります。

運動中や寝てる間に発症することが多く、妊娠中や加齢によって発症しやすくなります。

 

こむら返りの原因

こむら返りの原因はさまざまありますが、主に以下の原因が挙げられます。

① 水分不足、電解質のバランスの乱れ

寝ている間の発汗による脱水症状や、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質のバランスが崩れることが原因になります。

② 筋肉の疲労

スポーツのプレイ中や過度な運動直後、長時間の立ち仕事後などで起きます。加齢や運動不足による筋肉量の減少が影響します。

③ 足の血管の循環不全

高齢者や妊婦さんに多く、冷えや長時間の同じ姿勢も影響します。

足の血流障害を原因とする下肢静脈瘤を認める方は、明け方にこむら返りを繰り返すことが多いです。

④ 薬剤性

降圧薬であるカルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬、脂質異常症治療薬であるスタチン系、抗甲状腺薬であるチアマゾール、痛風治療薬であるコルヒチンが原因となる場合があります。

 

こむら返りを繰り返す場合は、以下の病気が関連している可能性があります。

① 神経筋疾患:脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア

② 代謝障害:糖尿病、腎臓病、肝硬変、低栄養など

③ 血流障害:末梢動脈疾患、下肢静脈瘤など

④ 内分泌疾患:甲状腺機能低下症など

上記の病気が疑われる場合は、専門医の診察を受けましょう。

 

日常生活における予防法

こむら返りの予防法は以下になります。

① 日頃のストレッチ

普段から足首周りの筋肉を伸ばすストレッチを行うと、足の血行がよくなるので、こむら返りの予防になります。

こむら返り予防に有効なストレッチは以下となります。

 (1)壁に手をついて、片足を後ろにひく。
 (2)両足のかかとを床につけて、膝を伸ばして、20秒キープする。
 (3)左右を入れ替えて反対側も行う。

 

こむら返りになった場合は、痛む脚をゆっくり伸ばして、つま先は反らせてから、壁などに足裏を押し付けて、ふくらはぎの筋肉をしっかり伸ばすと効果的です。

いずれも反動をつけず、ゆっくり息を吐きながら、無理な力をかけずに、ゆっくり伸ばすのがポイントです。

 

② マッサージ、水分補給、入浴

足を冷やさないように、就寝前に入浴をして、ふくらはぎのマッサージ、脱水にならないように水分補給を行うと予防効果があります。

スポーツ前や最中には、スポーツドリンクなどで電解質をしっかり補給し、運動後には、マッサージなどをして筋肉疲労を速やかに回復させましょう。

 

③ 運動療法

定期的な運動を行い筋肉を強化することも、こむら返りの予防には重要です。

足の筋肉を効率よく鍛える方法として以下の 「ゆっくりかかとおとし」 があります。

(1)しっかりしたイスの背など安定したものにつかまって立つ。

(2)息を吸いながら、かかとを上げ、足の指だけで立って3秒キープ。

(3)息を吐きながら、ゆっくり約15秒 かけてかかとを下ろす。

(1)(3) を3回繰り返すを1セットとして、1日3~5セット行う。

 

④ マグネシウム摂取

マグネシウムイオンは筋肉において弛緩の役割を担っていますので、適切なマグネシウムを摂取することも重要です。

マグネシウムの多い食品として、スルメやイワシなどの魚介類、ワカメなどの海藻、アーモンドなどのナッツ類、納豆、豆腐などの大豆類、ゴマ、玄米になります。

 

 

薬物療法

① 漢方薬:芍薬甘草湯

こむら返りが起こった時に服用すると数分で効果が現れます。

予防効果もあり、スポーツ前や、足が疲れた日の寝る前などこむら返りが起こりそうなときには、事前に服用すると効果的です。

ただし、長期的に常用すると、高血圧、むくみ、低カリウム血症などの副作用を起こす場合があるので注意が必要です。

② マグネシウム

酸化マグネシウムは、便秘気味の妊婦さんに良い適応です。

長期的に内服する場合は、血清マグネシウム値を定期的にチェックする必要があります。

 

以上、足がつる原因と予防、対処法、という話題でした。
この記事が、皆様の生活 (ライフ) のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。