注意したい食中毒の種類と予防|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科

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注意したい食中毒の種類と予防|西早稲田ライフケアクリニック|新宿区高田馬場の糖尿病内科・内科

注意したい食中毒の種類と予防

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食中毒は、1年を通して起こります。その原因は、細菌、ウイルスなど様々であり、高齢者や免疫力が低下している方がかかると重症化して生命に危険を及ぼす場合もあるので、食中毒を起こさない、そして感染を拡大させないための知識を身につけることが重要です。この記事では、注意したい食中毒の原因に関して、予防も含めて解説します。

本日のポイント

  • 1年を通して食中毒は起きており、発生状況としては、毎年5月から12月ぐらいまでが細菌、12月から3月まではウイルスが原因であることが多い。
  • 一番多く発生している食中毒はカンピロバクター属菌であり、感染源として、鳥肉が多い。
  • 毎年11月頃から1~2月に増加するノロウイルス感染は、感染源として二枚貝 (牡蠣、アサリ) が多いが、ウイルスが付着した食器やドアノブ、床などから手指を経由して感染する場合もある。
  • ノロウイルスに、アルコール消毒は効果がなく、嘔吐物などの処理や便座の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤を用いる必要がある。
  • 食中毒予防の3原則は、菌を「つけない、増やさない、やっつける」 である。

食中毒の定義と原因

食品衛生法にて、食中毒患者は 「食品、添加物、容器若しくは容器包装に起因して中毒した患者若しくはその疑いのある者」 と定義されています。

簡単に言うと、食べ物や飲みものを摂取することにより引き起こされる腹痛、吐き気、下痢、発熱などの健康障害となります。

その原因は、細菌、ウイルス、寄生虫、有毒な化学物質や動植物の自然毒など様々です。

食中毒は、原因となる細菌やウイルスなどが食べ物などから経由して、体内へ侵入することによって発生します。

1年を通して食中毒は起きており、発生状況としては、毎年5月から12月ぐらいまでが細菌、12月から3月まではウイルスが原因であることが多いです。

食中毒でも、高齢者や基礎疾患がある方、免疫機能が低下している方などは、重症化して敗血症を発症し、死に至ることもあるので、注意が必要です。

 

注意したい食中毒の種類

特に注意したい食中毒は以下になります。

 

カンピロバクター属菌

日本で一番多く発生している食中毒になります。

感染源として、食肉、とくに鳥肉が多く、加熱が不十分な鳥の唐揚げ、鳥レバーなどが原因になります。 

潜伏期間は、1日~7日間 (平均3日間) と比較的長く、 症状は泥状や水のような下痢が頻回に起き (4階~12回)、吐き気、腹痛、発熱、頭痛、全身倦怠感などで、便に血がまじることもあります。

治療は、脱水にならないための水分摂取と対症療法が基本になりますが、重症の場合は、抗菌薬の投与が検討されます。

注意すべき合併症として、ギランバレー症候群という病気があり、体の脱力、しびれ、痛みなどの末梢神経障害が、治療後、数週間後に急激に進行するケースがあります。

ギランバレー症候群は、ほとんどが予後良好ですが、後遺症が残ってしまうこともあります。

カンピロバクターは、熱に弱く、予防には十分な加熱処理 (中心部75℃以上で1分加熱) が効果的です。

症状が改善しても、便の中に数週間は菌がいるので、トイレ掃除のときに感染しないように注意が必要です。

 

ノロウイルス

毎年11月から増加し、3月までの間にピークを迎えることが多いですが、夏でも発生します。

感染源として多いのは、二枚貝(牡蠣、アサリなど)になりますが、ウイルスが付着した食器やドアノブ、床などから手指を経由して感染する場合もあります。

潜伏期間は24~48時間で、症状は、水のような下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などを起こします。

ノロウイルスの増殖を抑える治療薬はなく、治療は、水分摂取と対症療法になります。

何回も下痢、嘔吐を繰り返し、全身状態が悪いと、点滴加療が必要な場合もあります。

症状が改善してもウイルスは2~3週間、便から排泄されます。

また健康な人が感染しても症状がなく、ウイルスの排泄だけ起こす場合もあり、糖尿病などの基礎疾患のある方への接触は控えるなど感染を拡大させない配慮が重要です。

ノロウイルスは、アルコール消毒は効果がなく、加熱により死滅します。

予防には、中心温度85~95℃で90秒間以上の加熱処置が推奨されています。

感染者の方を介抱した場合は、その都度手を洗って下さい。

嘔吐物などの処理や便座の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤を用いる必要があります。

 

③ ウエルシュ菌

ウエルシュ菌は、近年増加傾向にある食中毒で、熱にも乾燥にも強い芽胞を形成するのが特徴です。

主な原因食として、カレー、シチュー、筑前煮などの煮込み料理が多く、下痢や腹痛を引き起こします。

潜伏期間は、8時間~18時間で、煮込み料理を調理後に冷却、または再加熱する食品を急速に冷却することが予防策になります。

 

④ 黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌の毒素が食中毒を引き起こす場合があり、家庭での発生が比較的多く、原因食としておにぎり、卵焼きなどが挙げられます。

潜伏期間は、1時間~3時間と短く、主な症状はと突然の吐き気と嘔吐、腹痛、下痢になります。

予防策として、食材に菌をつけないために、手洗いの徹底が重要です。

 

⑤ サルモネラ

、鶏肉、スッポン・ウナギ等の淡水養殖魚介などが原因となり、腹痛、下痢、発熱、嘔吐、発熱を引き起こします。

潜伏期間は、12~48時間で、予防法として、肉や卵は冷蔵庫で保存し、卵を割ったらすぐに料理する、扱った手や調理器具はよく洗浄することなどが重要です。

 

上記の原因菌以外にも、スモークサーモンやナチュラルチーズなどが原因となるリステリア菌、加熱不足の牛肉などを原因として死亡例も多い腸管出血性大腸菌なども注意が必要です。

 

食中毒の予防

食中毒予防の3原則は、菌を「つけない、増やさない、やっつける」 です。

① つけない

食べ物に菌をつけないことであり、調理前の手洗い、まな板などの調理器具の洗浄などが大切です。

② 増やさない

食べ物に付着した細菌を増やさないためにも、冷蔵庫、冷凍庫を活用しながら、肉と野菜を保存するときは保存袋に入れて分けて収納するなど、保存に気をつけましょう。

③ やっつける

食べ物や調理器具に付着した菌がしっかりと死滅するまで加熱しましょう。

その他にも人から人への感染を予防するために、十分な手洗いや、家族内で発生した場合は早急に汚物を処理をするなど 「広げない」 ことも重要です。

何より早期に適切な治療をすることが重要であり、気になる症状がありましたら、早めに医療機関に相談することをお勧めします。

 

以上、注意したい食中毒の種類と予防、という話題でした。
この記事が、皆様の生活 (ライフ) のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。