肺炎球菌ワクチン「プレベナー20」と「キャップバックス」は何が違う?選び方を解説
「肺炎球菌ワクチンには種類があるけれど、どれを受ければいいの?」
「プレベナー20とキャップバックスは何が違う?」
成人に使用できる肺炎球菌ワクチンには複数の種類があります。最近では新しいワクチンも登場し、どれを選べばよいのか分かりにくくなっています。
今回は、プレベナー20とキャップバックスの違いや選び方、過去に肺炎球菌ワクチンを接種した方の考え方について分かりやすく解説します。
本日のポイント
- 成人の肺炎球菌ワクチンには、プレベナー20(PCV20)やキャップバックス(PCV21)などがある。
- PCV20は20種類、PCV21は21種類の血清型を対象としているが、両者では含まれる血清型の構成が異なる。
- 「21価だから20価より優れている」と単純に比較するものではない。
- 2026年4月から高齢者肺炎球菌の定期接種にはプレベナー20が使用されている一方、キャップバックスは現時点では高齢者の定期接種の対象ではない。
- 肺炎球菌ワクチンは、年齢、基礎疾患、過去の接種歴によって適切な選択が異なる。

肺炎球菌ワクチンとは?
肺炎球菌は、肺炎の代表的な原因菌の一つです。
肺炎だけでなく、菌血症、敗血症、髄膜炎などの重い感染症を引き起こすこともあります。
特に、
- 高齢の方
- 糖尿病のある方
- 心臓・肺・腎臓などに基礎疾患がある方
- 免疫機能が低下している方
などでは、肺炎球菌感染症が重症化するリスクが高くなるため、ワクチンによる予防が重要です。
肺炎球菌には100種類以上の「血清型」があり、肺炎球菌ワクチンはその中の一部の血清型に対して免疫をつけるように作られています。
プレベナー20とキャップバックスの違いは?
2026年8月現在、成人の肺炎球菌ワクチンとして選択肢となるのが、プレベナー20(PCV20)とキャップバックス(PCV21)です。
| プレベナー20 | キャップバックス | |
|---|---|---|
| 種類 | 肺炎球菌結合型ワクチン | 肺炎球菌結合型ワクチン |
| 略称 | PCV20 | PCV21 |
| 対象血清型 | 20種類 | 21種類 |
| 特徴 | 幅広い年代で使用され、高齢者の定期接種にも使用 | 成人で問題となる血清型を考慮した構成 |
| 高齢者の定期接種 | 対象 | 現時点では対象外 |
| 任意接種 | 可能 | 可能 |
大切なのは、キャップバックスはプレベナー20に1種類だけ追加したワクチンではないということです。
両者では含まれている血清型の構成そのものが異なります。
そのため、「21価だから20価より優れている」と単純に比較することはできません。
「20価」「21価」は数字が大きい方がいい?
「価」という数字は、そのワクチンが対象としている肺炎球菌の血清型の数を表しています。
プレベナー20は20種類、キャップバックスは21種類ですが、重要なのは数だけでなく、どの血清型が含まれているかです。
キャップバックスは、成人で問題となっている肺炎球菌の血清型を考慮した構成になっています。
つまり、ワクチンを選ぶ際には「20か21か」という数字だけを見るのではなく、年齢や基礎疾患、これまでの接種歴などを含めて考える必要があります。
結局、プレベナー20とキャップバックスはどちらを選ぶ?
まず分かりやすいのが、高齢者肺炎球菌の定期接種の対象かどうかです。
2026年4月から、高齢者肺炎球菌の定期接種にはプレベナー20(PCV20)が使用されています。
そのため、定期接種の対象となる方はプレベナー20を接種することになります。
一方、キャップバックスは成人に使用できる肺炎球菌ワクチンですが、2026年8月時点では高齢者の定期接種には使用されていません。
任意接種として選択する場合には、
・年齢
・糖尿病などの基礎疾患
・肺炎球菌感染症のリスク
・過去に接種した肺炎球菌ワクチン
・最後に接種した時期
などを確認して検討します。
「どちらが新しいか」「何価か」だけではなく、その方に合ったワクチンを選ぶことが大切です。
以前ニューモバックスなどを接種した方は?
以前、高齢者の定期接種で広く使用されていたのが、ニューモバックスNP(PPSV23)です。
そのほか、プレベナー13(PCV13)やバクニュバンス(PCV15)などを接種したことがある方もいます。
現在はPCV20やPCV21という選択肢が加わっていますが、「以前肺炎球菌ワクチンを接種したから、もう接種を考える必要はない」とは一概には言えません。
一方で、何種類ものワクチンを短期間に接種すればよいというものでもありません。
過去にどのワクチンを、いつ接種したのかによって、その後のワクチンの選択や接種時期が変わります。
具体的の考え方としては、65歳以上の方で、過去にニューモバックスまたはプレベナー13やバクニュバンスを接種している場合、前回接種から1年以上あけてPCV20またはPCV21を接種することができます。
具体的には、次のように考えます。
| 過去に接種したワクチン | 次の接種の目安 |
|---|---|
| 接種歴なし | PCV20(プレベナー20)またはPCV21(キャップバックス)を検討 |
| PPSV23(ニューモバックス) | 1年以上あけてPCV20またはPCV21を検討 |
| PCV13(プレベナー13) | 1年以上あけてPCV20またはPCV21を検討 |
| PCV15(バクニュバンス) | 1年以上あけてPCV20またはPCV21を検討 |
| PCV20(プレベナー20) | 1年以上あけてPCV21を検討可能 |
| PCV13+PPSV23など複数の接種歴あり | 最後の肺炎球菌ワクチンから1年以上あけてPCV20またはPCV21を検討 |
以前プレベナー20を接種した方でも、1年以上経過していれば、プレベナー20には含まれていない血清型をカバーするキャップバックスを追加する選択肢があります。
ただし、過去に肺炎球菌ワクチンを接種している方は、原則として現在の高齢者肺炎球菌定期接種の対象外となる場合があります。
追加接種を行う場合は、基本的に任意接種(自費)として検討します。
なお、以前行われていた「ニューモバックスを5年以上あけて繰り返し接種する」という方法については、現在はプレベナー20やキャップバックスなどの結合型ワクチンが利用できるようになったため、65歳以上ではニューモバックスの再接種は原則として選択肢としないという考え方になっています。
そのため、昔ニューモバックスを接種した方も、「5年経ったから、またニューモバックス」と自動的に考えるのではなく、プレベナー20やキャップバックスを含めて次の接種を検討することが大切です。
以前接種したワクチンが分からない場合には、お薬手帳、予防接種記録、過去に接種した医療機関の記録などを確認してみましょう。
糖尿病がある方も肺炎球菌ワクチンを検討しましょう
糖尿病のある方では、感染症に対する抵抗力が低下したり、感染症をきっかけに血糖値が大きく上昇したりすることがあります。
そのため、肺炎球菌感染症の予防も重要です。
特に糖尿病だけでなく、
・慢性心疾患
・慢性呼吸器疾患
・慢性腎疾患
・免疫機能が低下する病気や治療
などがある方では、年齢だけでなく基礎疾患も含めてワクチン接種を検討します。
定期接種の対象年齢でなくても、肺炎球菌感染症のリスクに応じて任意接種を検討することがあります。
新宿区の肺炎球菌ワクチン助成について
新宿区では、2026年4月から高齢者肺炎球菌の定期接種にプレベナー20(PCV20)が使用されています。
対象となる方は、新宿区から送付される予診票を利用して接種できます。
なお、キャップバックスは現時点では高齢者肺炎球菌の定期接種の対象ではありません。
対象年齢や自己負担額など、詳しくは新宿区の最新情報をご確認ください。
当院では自費での肺炎球菌ワクチン接種も可能です
「定期接種の対象ではないけれど接種したい」
「以前ニューモバックスを接種したけれど、次はどうしたらいい?」
「プレベナー20とキャップバックスのどちらが自分に合っている?」
という方もいらっしゃると思います。
当院では、定期接種・公費助成の対象とならない方についても、肺炎球菌ワクチンの自費接種が可能です。
プレベナー20、キャップバックスについて、年齢、基礎疾患、過去の接種歴などを確認したうえで接種を検討します。
自費接種の場合は公費助成の対象外となり、費用は全額自己負担となります。
また、在庫状況によっては事前のご予約が必要となる場合がありますので、お問い合わせください。
肺炎球菌ワクチンを受ければ肺炎にならない?
肺炎球菌ワクチンを接種しても、すべての肺炎を防げるわけではありません。
肺炎は肺炎球菌以外の細菌やウイルス、誤嚥などによっても起こります。また、肺炎球菌にも多くの血清型があります。
肺炎球菌ワクチンは、ワクチンに含まれる血清型による肺炎球菌感染症を予防し、重症化するリスクを減らすことを目的としています。
こんな方はご相談ください
・肺炎球菌ワクチンを受けた方がよいか知りたい
・糖尿病などの基礎疾患がある
・以前ニューモバックスを接種した
・過去に受けたワクチンの種類が分からない
・定期接種の対象外だが接種したい
・プレベナー20とキャップバックスのどちらを選べばよいか分からない
過去の接種記録がある方は、受診時にお持ちください。

以上、肺炎球菌ワクチン「プレベナー20」と「キャップバックス」は何が違う?選び方を解説、という話題でした。
この記事が、皆様の生活 (ライフ) のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。



